実家帰ればイイじゃんと何度言われても

東京にぶらさがって一週間を過ごした。



ようやく実家に帰ってみる。

文字通りしぶしぶ。

夏ぶりに実家に帰った。

あんまり実家がすきじゃないと言い続けている私だけど。

実家に向かう電車は結構好きだ。

電車の外の景色はアルバムを見ているような気分になる。





昨日は少し夜更かしをした。

自分の部屋で電話をしながら、窓の外をみていたのだけど、

ここからの風景は変わらないなということが、

実はものすごい大切なことに感心したりした。



四年間私は2つの窓を持っていたことになるけれど、

どちらの窓も私のモノのようで、私だけのモノではない。

いつかは誰かのモノになってしまうのだから、

私は、そこからの風景を二度と見ることが出来ないということだ。





それに比べて、ここからの風景は、私のモノで、

好きな時に来れば眺められる風景なのだ。

実家という場所が、少し、好きになったような気がした。




けど、やっぱり暇だ。










東京ぶらさがりの日々後半戦の写真たち。



お友達のライブにマユコと参戦日。




最後の平屋集合日。
確実に揃い過ぎた日。



原ゼミで原先生宅に訪問日。






孫の手は、本物の手ではない。



嘘をつかないのと、正直なのはちょっと違う。



我慢することが大事なのではなくて、
我慢している自分に気がつくことが重要らしい。




この前少し、車に乗って、ほんの少しだけ運転した。

少しオトナな気分だ。

これをどう分類するのか。

どこのファイルに仕舞おうか。

落ち着かない感覚が残った。



テレビをつけた時もう、すでに
ナウシカは青き衣を纏って、金色の野に降り立っていた。
もっと早く、気づけばよかったぜ。
ぼやっとしてたな。
大好きな金曜ロードショー

『結局のところ−と僕は思う−文章という不完全な容器に盛ることができるのは
 不完全な記憶や不完全な想いでしかないのだ』


ただ単に、影を追っているのにすぎないのだから、

いい加減、村上春樹以外の小説を読みたいものだと、

いつも思って本屋に行く。




歌の歌詞には「そうそう、そうだよね〜」と共感を求めるが、

小説の内容にはあまり自分を重ねずに文字を追いたいと思う。



昨日読んだ話の結末が今の自分にとって酷く絶望的だった。

ナンテ、ゼツボウテキナンダ!

デニーズで\280のほうれん草ソテーで過ごすこと三時間。


一つ挟んで向かいの席の二人は、

スーツを着た小太りと黒のタートルネックの美女。

随分、異様な感じだった。





不意に、男はオンナに携帯のカメラを向けだし、

オンナはドリンクのグラスですっぽり顔を隠していた。





男は携帯をこちらに向け、オンナに写真を見せていたので、

少々きになった私は思わず覗き込んだわけだ。

携帯の液晶に映る写真は、オトナなサイトで見かけそうな雰囲気で、

オンナはこれがジブンだとバレないかをしきりに気にしていたようだ。

男はモザイクだどうだとか、このくらいがどうだとか、

世の中のワルいこと全てを肯定しそうな勢いで話していた。



そんな一つ挟んで向かいの席に座る二人を

気にならないフリをしながら、

ものすごい勢いで凝視していたと思う。

そして、最初に感じた二人の異様さに納得して、

自分の直感とかが結構鋭いななんて、勝ち気になったりした(笑)






暇過ぎて凝視していると、途切れ途切れに二人の会話が聞こえた。


「なんか、性癖とかないの?」と男。

「え〜普通です〜」とオンナ。

「そうか〜、なんかキャッチフレーズみたいなものを
 つけようかと思うんだけど。」と男。




いよいよ核心をつく会話だ!

とか、思って地味にわくわくしてしまったくらい

私は暇だったらしい。

そしてこんな日記を書いている有様だ〜







そんな3時間の間に何となく思ったことは、

「大切だから」という理由について物事が片付けられた時のこと。

随分ピースフルな響きだと思いながら、

随分、残酷だなと思った。









あのタートルネックのオンナのヒトは、

3月のあたまからナニかの初日を迎えるらしい。

スーツを着た小太りな男は、初日がいちばん大事だからね!と言っていた。


私にはオトナなセカイの、遠いセカイのお話でした。